「子どもを育む街」1日1食放置しない、高校生から切実な声

10代後半の若者らを支えようと、市民団体が定時制のある県立高校で、実態調査も兼ねたコメや食料品の無料配布を続けている。

画像=コメを受け取る生徒たち。「ありがとうございましたっ」といった元気な声が食堂に響く

元教員や現役教員で構成するNPO法人「ハイティーンズサポートちば」(吉永馨理事長・丸山3)が昨年10月から計4校で実施し、今後も県内で行う予定。生活に困窮していても声を上げづらい世代やその家族の食を、学校という生活圏内で、地域住民がサポートしようという。

14日、メンバーは県立市川工業高(稲葉保校長)を初めて訪問。食堂で、寄付を受けたコメ2㌔やレトルトカレー、近隣農家の野菜を、全日制・定時制の生徒215人に手渡した。

「アルバイト減ってるんだね。飲食?」。入口にはアンケート用紙を置き、その内容を足がかりに生徒に声をかけていく。アルバイトの日数や時間が減った、親の職場が閉鎖した、収入が減り進路が変わる…。生徒の一人は「食べ盛りの家族がいて、食費がかかるねとお母さんと話している。喜ぶと思う」と笑顔で食堂を後にした。「一日にだいたい何食、食べていますか」といった質問には、コメを受け取った定時制の生徒の16%が「1食」。「今、困っていること」は「学校」「食事」「生活費」…。

吉永さんは「まだ初回。回数を重ねて関係を作っていく」と先を見据える。副理事長の宮内渉さんは「冷やかしで来る子はまずいない」。同団体では、校内での「居場所カフェ」開設も視野に入れており、「今回の食支援はその一歩」だ。

近年、食品を寄付する企業などが増える中、その情報を届けるために最も重要な場所の一つが学校だ。食費を削り1日1食に体が慣れたとして、次に通学の電車賃を削る生徒もいる。学びと食を途絶えさせないために「高校が開かれた場所に」なることをメンバーは願う。

継続してコメが欲しい場合は電話かラインで連絡を―。配布の1週間前、同校は、全校生徒に団体の取り組みと連絡先を伝え、利用希望を募ったという。稲葉校長は「(18年に全県で撤廃された)定時制の給食の代わりの一つとして、定期的にやってもらえるとありがたい」と話した。