災害時、わが子の命を守る 船橋で「防災ママカフェ」初開催

 被災地の母親の体験もとに

東日本大震災などで被災した母親らの体験をもとに、災害時に子どもを守る方法を考える「防災ママカフェ@ふなばし」が先月15日、船橋市勤労市民センターで開かれた。
講師は北本町在住のかもんまゆさん(49)。「大地震などが発生したとき、子どもの近くにいる可能性が高いのはママ」。母親は自分と子どもらの複数の命を同時に守らなければならない。避難所では子ども用の物資は不足しがち。オムツ一つにしてもサイズが異なるため、支援をあてにせず、自助の備えが必要という。
かもんさんは東日本大震災の被災地に物資を運んだ際に現地の母親らから「私たちの体験を『未災地』のママに伝えてほしい」という提案を受けた。被災した母親ら約400人の声を冊子にまとめ、これまでに依頼を受けた全国180カ所以上で講演を開いてきた。地元船橋での開催は初めてという。
講座には市内の親子

ら約40人が参加した。揺れが起きた際、自分と子どもの頭部を守ることが原則だが、震度7クラスの揺れの場合、子どものそばに駆け寄ることはほぼ不可能。子どもを案じて狼狽せず「まずはママ自身を守って」とかもんさん。「ママがケガをしたら子どもを助けられない」と参加者に訴えた。
火災や津波などから急いで避難するときは、子どもとしっかり手をつなぎ、小さな子は抱っこひもなどで体にくくりつけることが大切だ。切迫した状況ではぐれてしまうケースは多く、再会は困難で命取りとなる。東日本大震災時にも迷子が出たが「自分と家族を守ることに精一杯で、声をかけられなかった」と話した母親もいたという。
食料の備蓄についても「大人は食べなれない非常食も栄養をとるために必要と理解できるが、子どもはまずいと感じたものは食べない」ため、配慮が必要だ。また、避難所で子ども用の仮設トイレは望めない。あらかじめ「自分たちで準備する」ことで、子どもの負担を大きく軽減できるという。
災害発生時、子どもは大人についていくしかない。固定観念にとらわれず、状況に応じた的確な判断が求められる。「緊急地震速報は、命を守る行動を開始するゴング。子どもを守れる

親になって」とかもんさんは来場者に語った。
冊子は5部千円で販売。講演依頼を含む問合せは℡050・3825・2165スマートサバイバープロジェクト