世界選手権、五輪に向け 代表合宿に臨む船橋出身2選手

 

世界選手権、五輪に向け 代表合宿に臨む船橋出身2選手

8月に習志野市などで開幕する世界女子ソフトボール選手権。その選考会を兼ねた日本代表合宿が鴨川市で開かれている。ソフトボールは20年東京五輪の正式種目に復活することが決まっており、同選手権は重要な前哨戦でもある。合宿には船橋市出身の濱村ゆかり(22)、切石結女(18)両選手が参加。17人の代表メンバー枠を目指し、しのぎを削る2人を取材した。

八木が谷中出身・濱村ゆかり 投手
女子ソフトの次世代エースに

「アメリカには速い投手が多い。今の状況ではかなわないので、変化球やコントロールを磨きたい」。3週間に及ぶ日本代表の海外遠征で、現地の投手を目の当たりにした経験を生かそうと工夫しているところだ。

速球が武器の本格派で、名門・ビックカメラ高崎で15年の日本リーグ新人賞に輝くなど最前線で活躍してきた。さらなる向上のため球種を増やし、現在は6種類を投げ分ける。「決め球は打者のタイプで変える。それがベスト」と考えている。
小学生野球チーム「さざんかポニーズ」で投手のキャリアをスタート。八木が谷中でソフト部に入り、3年の頃には全国ジュニア優秀選手にも選ばれた。顧問だった金坂卓城教諭(38)は「とても光るものがあった。志が高く、ソフトボールを続けたいという気持ちも強かった」と話す。
同じ実業団には日本の絶対的エース、上野由岐子がいる。濱村は「代表は上野さん、藤田(倭)さんの2人の後がいない」。次世代のエースを目指し、まい進する。

 

船橋中出身・切石結女 捕手
期待の若手 「信頼される選手に」

弱冠18歳で正捕手の座を目指す切石。先日、千葉経済大高を卒業し、4月からはトヨタ自動車に進む有望株だ。
171㌢と恵まれた体格。自身は「まだ選考会に呼ばれるようなレベルではない」と感じているが、宇津木麗華監督の目に留まった。「190㌢あるアメリカの打者に高めを投げるとき、体が小さいと球を取れない。キャッチャーは現場監督。将来の日本のことを考えて入れた」と指揮官は期待する。
合宿では「考え方や配球など、学ぶことばかり。先輩方のプレーを自分のものにしたい」と汗を流す。細部へのこだわり、アスリートとしての生き方。年長の一流選手と交わることで、より上の段階へステップアップしようと奮闘中だ。
小学生の時は野球チーム「夏見台アタックス」に在籍。船橋中でソフトを始めた。当時、指導した田淵香織教諭(33)は「県内で一番、肩が強かった。言葉は多くないがプレーと行動で示すタイプで、主将として引っ張ってくれていた」。スローイングや長打力など、大器の片りんをのぞかせていたという。
「信頼される選手になりたい。プレーも人間性も」と切石。選手権、そして「一番の目標」の五輪出場を視野に、精進を重ねる。