4期目の宮本市長に聞く 人口減少社会へ向け効率的に

先月の市長選で当選し4期目の市政運営が始まった宮本泰介市長。人口減少社会への対策や公共施設再生への取り組み、アフターコロナのにぎわい創出に向けた街づくりなど、4期目への思いを聞いた。

画像=宮本泰介(みやもとたいすけ)…1973年1月19日、習志野市生まれ。習六中、八千代松陰高、秀明大政治経済学部卒。1999年に習志野市議初当選、3期連続12年間歴任。11年4月に習志野市長選挙に初当選、第6代習志野市長に就任。現在に至る。

◆3期目までの課題と今期の抱負について
最も身近な政治家でありたいと、多くの人に会って話すことを大切に議員12年、市長として12年間やってきた。しかしコロナ禍では市民との交流がほぼ断絶。その代わりとしてユーチューブを始めた。
政策的に遅れたということはあまりないと考えている。しかし、それに付随する説明などが、これまでは中々はかどらなかった。市政運営は、タイムリーにいろんな話をしながらやっていくものだと思っている。今期は従来のスタイルに戻していきたい。
 
◆今後、どこに重点を置く
まず、お金はいくら使えるか、というところを確定させたい。どんどん投資すると、どうしても借金になり、将来世代に負担をかける。給食費の無償化なども何を財源にするのか。
財源を何に求めて、どのくらいの入りを図れるのか。従前から取り組んでいる公共施設再生計画でも経費などが上がっている。今後しっかり見極めていきたい。
 
◆昨年、市の人口が目安の17万5千人を切る月があったが、人口減少への対策は
コロナで一時的な可能性もある。転出はあるが転入があまり進まなかったのか。30分で東京に行ける立地もあり、しばらくは横ばいと考えているが、施策も早く進めていかなければ。
これからの政策は少子化、人口減少の中での話になってくるので、基本的にはバラ色ではない。どうしても規制や制限が必要になる。
 
◆にぎわいある街づくりについて
5月8日以降、いろいろなことができるようになった。来年の市制70年周年に向けて従来のイベントを復活させる。新たなことも仕掛けていきたい。
習志野高が全国的に注目されていて、生徒の7割以上は市外から来ている。習高の活躍を応援する仕組みを作っていこうと考えている。
 
◆学校教育について
ICT系や語学教育についてもこれからどんどん充実させていきたい。他方、子どもたちのランドセルを軽くするため、教委に「置き勉」など工夫してもらうよう声を掛けている。
家庭が背負う教育費の負担を軽くしたい。今はコロナの助成金などを使いながら展開しているが、それがなくなるまでに財源を精査して、負担軽減できるものがあれば給食費に限らずやっていきたい。

◆鷺沼地区の開発について
市としては市役所前通りから幕張本郷の南に抜ける都市計画道路の整備、鷺沼小の移転を中心にやっていく。組合のペースにもよるが、早ければ7、8年での完成を見込んでいる。

《文化ホール再建について》

◆復活までの見通し
設計から完成までを単純に計算すると約10年かかるが、なるべく短くしたい。今月末から6月末にかけて事業者の野村不動産とJR津田沼駅南口の再開発に関する確認書の締結を予定している。完成時期はその計画次第だが、やってもらうことで、市がやるより早くできる。お任せできることでコスト的にも労力的にもメリットがある。

◆経済状況などで再建を取り止める可能性は? 旧庁舎跡地案が再浮上する可能性は?
確認書はゴーサイン。資材が高騰した時にどうなるのかリスクはある。場所に関しては、旧庁舎前に立てた方が安いが、稼働率が従前どおりになるかというのが問題。文化ホールをなくすということにならないように努める。万が一、そうなるかもしれないならば、市民としっかりコミュニケーションを取りうまく伝えていきたい。

◆建物の解体予定が25年度末。休館をもう1年先延ばしにしてもよかったのでは?
文化ホールの老朽化が著しく、漏水で下の店舗に迷惑をかけるなど、見た目以上に配管などが痛んでいた。配管をやり直すとなると、損益分岐点をまたいでしまう。5年前、大規模改修工事をやろうとしていたが、再開発の話が上がったことで最低限の修理とした。その結果、閉館のタイミングが今年だった。他の店舗は25年まで営業するが、文化ホールはぎりぎりだった。

◆パイプオルガンの再設置は
残してほしいという声も多く市内外から寄付を募る。目標額が集まらなければ、寄付してくださった方に何らかの形でお返しする。