「人」船橋漁協組合長に就任した元市職員 山崎則之さん

39年間にわたり農業水産課の職員として働き今年3月に早期退職。障がい者施設で農業就労支援に携わっていたところに、組合関係者から力を貸してほしいと連絡があったのは7月のこと。役員を決める選挙を経て、第20代組合長に就任した。組合員の中から選ばれるのが通例のため「まさか組合長になるとは思わなかった」と驚いた。市職員時代とは異なり、漁師が食べていくための経営スキルが求められる。職員時代には早朝から漁場へ出るなど漁師と同じ目線で取り組んできた。現場からの信頼は厚く、行政経験を生かしながら船橋の漁業活性化に尽力したいと意気込む。

かつて盛んだったアサリ漁は青潮や南風の影響などを受け18年以降ほぼ0になった。現在は漁場を再生しようと砕石アサリの試験なども行っている。「もともとはアサリの海。難しいことだとは思うが、豊かだった三番瀬、本来の船橋の海に戻していきたい」と試行錯誤している。

「千葉県で都市の中に残っている漁業は船橋と市川しかない。都会のこんなところで、まだ漁業をやっていることを知らない人も多い。船橋の漁業をしっかりPRもしていきたい」と思いを語る。