SSH研究発表で奨励賞 県船橋3年白沢さん

文科省が先進的な理数系教育を実施している学校を支援する取り組み「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」。先月、全国220校のSSH指定校が参加した「生徒研究発表会」が行われ、県船橋高理数科3年の白沢秦希さんが奨励賞を受賞した。同校は09年度からSSHの指導校となっており受賞は5年ぶり。

画像=研究内容を説明する白沢さん

白沢さんは「プレゼンに不安もあったが、自分にはなかった発想を得られ有意義な時間だった」と大会を振り返る。

三角形に占める扇形の面積割合
研究テーマは、「三角形に占める扇形の面積割合」。塩などの物質は規則的に原子が並んでいる。1単位あたりどのくらいの割合を占めているのかを表す充填率は結晶ごとに違うが、白沢さんはその結晶の断面図に着目した。断面図上に対角に線を引き三角形を作ると、その中に原子が扇形となって現れる。「すごく特徴的な図形だなと思った。その扇形の占める割合を一般化すれば、不規則な充填率も簡単に求められると思った」

2年次から取り組んでいた研究だったが、コロナ禍。研究への批評やアドバイスをもらいたいと発表会へ参加することにした。結果、最高賞には届かなかったが、奨励賞に名前が挙がりうれしかった。会場でほかの生徒らの研究を目にし刺激を受けた。「大学で習う数学も用いた証明もあり、感心した。化学に対しての純粋な興味を抱くことは大事だと思った」と話す。

大会に同行した石川卓教諭(45)は「新幹線の中で最後の追い込みと、資料をまとめ、宿舎でも夜遅くまで発表の練習をしていた。本当によく頑張ったと思う」と奮闘を称えた。同校の科学教育統括部長の太田和広教諭(59)は、「着想から自分の頭の中で論理的に組み立て結論を導いていることに力を感じる」と飛躍に期待を寄せる。

小学3年頃から「数学の美しさ」にひかれていたという白沢さん。「複雑な数式で証明することを、別の誰かが図形を使って簡潔に分かりやすく証明することもある」と魅力を話し、今後もその世界を探究していく。