命を学んで心を養う 家畜テーマの食育絵本出版

習志野台在住の藤原勝子さん(77)が先月、家畜をテーマにした食育絵本「牛の教え」、「豚・鶏の教え」を出版した。

画像=「知らないことを学ぶのが楽しい」と話す藤原さん

自身が企画、編集するシリーズの第3弾で、前作「魚の教え」の発行から1年をかけ完成した。「牛は人間の都合の良いように改良されてきた。草だけを食べて大きな体を維持してお乳を出し、肉となって人間の糧となってくれる」。文献を調べる中で、家畜の「利他性」に涙することもあったという。

子どもの興味を引く写実的なイラストや丁寧な解説を心掛けた。「牛が草だけで生きられる反芻のヒミツ」や、「鶏が飛べなくなった理由」など、大人もページをめくる手が止まるような内容を盛り込んだ。

「大人と子どもに一緒に読んでもらいたい。生き物には役割がある。人間は学び、ほかの生き物を大事にする役目があると思う。彼らの命について一緒に学べば、自分の命も含めて大事にしようという心が養われるはず」

女子栄養大を卒業後、本の出版やイベント、学校開校など、長年に渡り食に関する仕事に携わってきた。「栄養学を50年やってきたが知らないことだらけ。難しければ難しいほどファイトが湧く。なんで?と追いかけることがあるのは幸せ。もっと長生きしてこれからも仕事を続けたい」

出版した絵本は群羊社から。いずれもA4判、36㌻。各1980円。