手彫りの家紋4千個 高野台在住の永田孝男さん

「十六菊」、「下がり藤」、「蔦」、「木瓜」――。高野台自治会館(高野台3)の一室の壁に約4千個の木彫りの家紋が並んでいる。高野台在住の永田孝男さん(87)が趣味で作った。4㌢×3㌢のヒノキ板をデザインカッターで彫って、ニスや漆を塗って仕上げる。複雑なデザインのものは完成まで1日以上かかることもある。

画像=障子の枠を利用して4千個の木彫りの家紋を展示している

以前、地域の祭りで使う神輿を管理する保存会に所属しており、屋根につける駒札を制作した。これを機に会の看板やメンバーの名前を彫ることになった。その際一緒に家紋も彫ったことが制作を始めたきっかけという。

当初は刃がすぐに折れてしまい道具を試行錯誤。彫刻刀や小刀など試した結果、持ち手部分を工夫したデザインカッターを用いている。4千個作るのに約2年。「せっかく作ったのに誰も目にしないのはもったいない」との自治会長の提案で会館に飾ることになった。

今、取り組んでいるのは柄を板の両面を彫る「透かし彫り」。キーホルダーなどとして活用できるが、両面がズレないようにより繊細な作業が求められる。

やるからにはとことんやるのが流儀と、定年後には盆栽、釣りのウキ作りなどに熱中した。「人がやった事より、自分で新しく考えた方が面白い」と話す。

木彫りの家紋を同自治会館以外でも展示する機会があればと考えているが、コロナ禍でいまだ実現できていないという。