旬のスズキ 船橋漁港で続々水揚げ

船橋漁港(湊町3)で、漁獲量日本一を誇るスズキが旬を迎え、続々と水揚げされている。5月から10月のスズキは特に脂が乗り、夏の白身魚の代表格といわれる。今月から本格的なシーズンに突入し、例年通りのスタートをきった。

画像=瞬〆技法を披露する海光物産の大野等さん

瞬〆で魚の価値を最大限に
昨年の漁獲量は約512㌧で、漁獲高は約1億6718万円。コロナ禍以前に比べ、漁獲高は減少しているものの、その人気は不動だ。鮮度を保つための「瞬〆」と呼ばれる技法を施したものは2割ほど高値で取引される。

水産会社「海光物産」が「魚が持っている本来の価値を最大限に引き出し、提供したい」と08年ごろから取り入れた。エラの内側と尾に包丁を入れ、冷水につけて血抜きを行い、尾の部分から背中に向けてエアガンで空気を入れることで、神経を一気に抜きとるという。

作業時間は通常より2時間ほどかかり「漁師の手間と思いが詰っている」と大野和彦社長(62)。「大漁ではなく、いかに少なく取って漁師が稼ぐか。魚の価値を最大限に引き出す技が瞬〆。資源の過剰な漁獲を避けて、単価で稼ぐ漁業。持続可能な漁業を目指している」とその意義を語る。

抱卵中のスズキを取らないこともこだわり。「海の環境を守って取り尽くさない限りは、勝手に生まれて、勝手に育つ。いかに環境を守っていくか。取り過ぎないということを次の世代に伝えていきたい」