「ゴミ発電」余剰分を他施設で利用

船橋市は市内にある2つのごみ処理施設、北部清掃工場(大神保町)と南部清掃工場(潮見町)で発電される余剰電力の一部を、公共施設へ送電するなど脱炭素化に向けた事業を新年度から開始する。

画像=余剰電力自己託送の仕組み(船橋市提供)

CO2排出ゼロ目指し
市は50年までに「温室効果ガス排出ゼロ」を目指しており、公共施設で消費する電力の一部を、同処理施設による自家発電で賄う。不足分は太陽光発電などによる再生可能エネルギー100%の電力を買い取る。

4月から供給が始まる高瀬下水処理場(高瀬町)では年間1510万㌔ワット(20年度実績)の電力を使用しており、その大部分を同処理施設からの自己託送で賄うことができるという。年間6700㌧のCO2排出削減を見込んでいて、一般的な家庭、約2500世帯が1年間に排出する温室効果ガスに相当するという。来年10月からは本庁舎への自己託送を開始する予定で、供給できる電力量などを検証しながら、24年以降に、他の公共施設に拡大したい考え。

また市は、災害時の避難場所等となっている小中学校や公民館など106施設について、新年度から順次、太陽光発電設備と蓄電池を設置する。設置費用は事業者が負担し、発電した電力を市が買い取る。全施設合計で年間約1040万㌔ワットの発電を見込んでおり、うち約7割を各施設で消費する。停電時の電力確保にもつながり、蓄電池には一定時間分の電力が蓄えられる。

「災害時の電源の確保は大事。カバーできるところは大きい」と市環境政策課。「脱炭素に向けて世界的に取り組まないといけない。一人でも多くの市民に意識を持っていただければ」と話す。