学童保育 受け皿不十分

ひとり親や共働き家庭の子どもを預かる放課後児童クラブ(学童保育)に待機児童がいる。厚労省によると、昨年5月時点で学童保育の利用を希望しても定員超過などで入れない児童は全国で1万3416人、千葉県内では940人だった。

保護者ら「手を離された感じ」
「学童落ちた。どうすればいいかわからない」――。来月から4年生になる子を持つ、習志野市在住の40代女性は学童保育の利用を希望していたが、先月、利用不可の通知が届いた。女性は1~3年生まで学童保育を利用しており、「思ってもみなかった。急に手を離された感じ。習志野市は子育てしやすい街だと思っていたのに」と困惑する。

共働き家庭の増加による学童保育の需要の高まりを受け、15年の児童福祉法改正で、3年生までだった対象児童が原則6年生までに拡充されている。ただ、自治体によって対応はまちまちで、同市は「入会要件を満たす小学1~3年生は全員入会できる。4年生以上は入会状況を見て入会の可否を決定する」としており、20年度は83人、昨年度は61人の待機児童がいた。

市の児童育成課担当者は「施設の定員と職員の確保が難しい場合、入会できない可能性が生じている」と話す。

市は、親の就労状況に関わらず利用できる「放課後子供教室」を20年から大久保東小や秋津小、東習志野小に新設した。だが、利用は在学の児童に限られ、問題の解消には至っていない。

学童保育を利用できなくなった保護者らは仕事の時間を調整したり、「ママ友と預け合う」などして対応しているのが現状という。夏休みなどは「何日も休めないし、一日中一人で留守番させるわけにはいかない」ため、割高な民間の学童施設の利用も検討せざるを得ない。

習志野市「来年12月頃までに解消」
同課担当者は「保育の必要性は認識している。ファミリーサポートなどの利用を案内している。新設などの計画があり、来年12月頃までには待機児童を解消できる」と話している。