パートナーが発達障害 オンラインで情報共有「カサンドラ千葉」

当事者集まり悩みや苦しみ分かち合う
自分が体調不良のときパートナーは1人で食事に出掛けてしまう、話し合いや歩み寄りが難しい――。アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)などの発達障害やその可能性がある配偶者らとの暮らしにストレスを抱え、心身に不調が生じる状態を「カサンドラ症候群」と呼ぶ。「カサンドラ千葉」はそうした境遇の人々が集まり、悩みや苦しみを分け合う自助グループだ。千葉市や船橋市の女性たちが中心となり18年から活動している。

コロナ禍の現在は月1回、オンラインで会合を開いており、全国から参加がある。代表のひかしおさん(ハンドルネーム)は、「パートナーは状況を察するのが極端に苦手、こだわりが強いなどの特性を持ち、家庭内は疲れやすい環境。思いを吐き出す場が必要」と話す。集まる目的は相手の悪口を言うことではなく「当事者同士が深く理解し合い、泣いて笑って自分を取り戻すこと」と説明する。

発達障害のある人は特性を生かし、社会で活躍することも多いが、特性が「思いやりがない」「無理やり意見を押し切る」などと感じられるような言動につながり、それが度重なることで身近にいる家族やパートナーが疲弊してしまうケースはしばしばある。

ひかしおさん自身、結婚23年目の夫との生活に悩む当事者だ。子育てで意見の相違があったとき「理詰めで説得され」話し合えなかった。「私が悪い。がんばらなくちゃ」と気を張っていたが、うつ病になった。

今も体調と相談しながら会の進行役を担う。「参加者を支える側ではあるが、話せばよく理解してもらえるので、支えられている。結婚生活を継続していく上でありがたい場所」と話す。

会合に参加した50歳代の女性は、夫のDVや女性問題に悩んできた。「物事に集中しやすく、興味のままにフラッと行ってしまう。育児中も危なくて子どもを任せられなかった。こちらの思いが通じない、信用できない、家族になれた気がしないのが辛い」と吐露する。一方で「希望もある。相手を変えるのは難しいが、受け止め、自分はどうするかを決めていく」。参加者たちは、相手と一定の距離を置く、コミュニケーションを工夫するなど、各々の選択を取っているという。

次回の会合は11月8日13時から。申込み先はEメール(cassandra.chiba@gmail.com)。