繊細な子どもへの理解を HSC啓発チラシ1万枚を教委へ

感受性が豊かで他者の気持ちや環境の変化によく気づく一方、周囲の刺激に敏感で傷つきやすい子ども「HSC」。徐々に知られるようになってきたが、社会全体での認知度はまだ低い現状がある。

画像=チラシを市役所に届けた鳥居さん(中央)と、一緒に活動する習志野台在住の菊地千夏さん(右)

そうした子どもへの理解や配慮を教育現場で進めてもらおうと、海神在住の鳥居佐織さん(49)らが、啓発チラシ1万部を作成し、先月29日、船橋市教育委員会などに届けた。

HSCは「ハイリー・センシティブ・チャイルド」の略で、「人一倍敏感な子ども」と訳される。海外の研究では5人に1人が該当するという調査結果もある。

2人の娘を育てている鳥居さんは昨年、HSCという概念を知り、学校内での配慮の必要性を感じたという。まずは子どもたちに関わる教諭らにHSCについて知ってもらいたいと、自費でチラシを作ることにした。「敏感な部分をサポートしてくれる大人がいれば、集団でも活躍できるし、その特性を利点として伸ばすことができる」と話す。

チラシを受け取った指導課の掛村利弘課長は「一人ひとりを丁寧に見ていかなければならない。時間は掛かるかもしれないが、まずは全職員に周知することから。子どもたちの声が埋もれないようにしたい」と話した。チラシは市教委や地域保健課を通じ、市内小中学校や保育施設などに届けられた。