吹奏楽コン 習五中・習高 全国へ

全日本吹奏楽連盟が主催する全日本吹奏楽コンクールに、本紙エリアから習志野五中、習志野高が出場する。2年ぶりの開催となる大舞台を前に、両校の意気込みを聞いた。

画像=㊤習五中吹奏楽部のメンバーら、㊦習志野高吹奏楽部のメンバーら

習五中は今月5日に行われた東関東大会で代表に選ばれ、9年ぶり6度目の全国大会出場を決めた。

自由曲はチャイコフスキーのバレエ音楽「眠れる森の美女」を選曲。強弱の変化が激しい編曲で、50人のメンバーは「真っすぐ合わせるよりも、歌のように演奏するように」と心掛けている。本番に向け、ロシア音楽屈指のワルツの響きを向上させようと、最後の調整に臨んでいるところだ。

昨年度はコロナ禍で、ほぼ全ての主要大会が中止に。生徒らは、舞台を奪われたまま3月に卒業した上級生の無念を胸に刻み、努力を重ねてきた。部長でチューバ担当の須田菜々花さん(3年)は「先輩の顔を思い浮かべながら練習してきた」と話す。

中山岳顧問(46)は「ただでさえ子どもたちにはストレスがかかっている。音楽を奏でるときぐらいは明るい気持ちになるように楽しい曲にした。勝ち負けを越えて、結果として喜びを与えられれば」と生徒の奮闘を見守っている。

習志野高は6日の東関東大会で全国への切符を手にした。34回目の出場で、17年を最後に届いていない金賞の奪還を目指す。

今年はドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスの楽劇「サロメ」でエントリー。タクトを振る織戸弘和顧問(52)が編曲したもので、55人のメンバーはオペラ音楽の特性をつかもうと、物語を学ぶところから始めた。場面の転換が多く、演奏が難しいため、細かいかみ合わせについて話し合いながら進めてきたという。

部活動が制限されている中、短い時間を効率的に使うことで「より濃い練習ができるのはプラス」と発想を転換し、集中力を養ってきた。

船橋市の法田中出身で、バンドリーダーの大出夏穂さん(3年)は「目標はもちろん金賞だが、全員が納得のいく演奏ができるように、練習の段階から気持ちを入れてやっていきたい」と意欲を語る。

全日本吹奏楽コンクールは10月23、24日に名古屋市で開催される。