死産の子のため産着 船橋在住の主婦 橋本さん製作

小さな天使に産着を―。船橋市在住の主婦、橋本美菜子さん(49)は、死産した赤ちゃんを見送る産着やひつぎを製作し、販売している。

画像=橋本さんが製作した産着とひつぎ。ひつぎは折りたたみ可能で、ふたが閉じていても赤ちゃんが眠る方向が分かるよう工夫されている

悼む人にも「物」と「思い」を
妊娠12週以降の死産は火葬の対象だが、弔うための品は不足していると橋本さんは話す。亡くなった赤ちゃんの尊厳を守り、また、家族の悲しみやその後の生活に寄り添うのは「人であり、時に物である」と考え、小さな産着やひつぎの普及を目指す。「店などを右往左往する時間を赤ちゃんをしのぶ時間にあててほしい」と医療機関や葬儀社への周知も進める。

厚生労働省の人口動態調査によると死産は年間約2万件。小さなひつぎなど、既製品はあるものの見た目や価格面から普及しておらず、サイズの合わない産着や代わりの箱を用意する家族も多いという。

橋本さんは10年ほど前に産着を手縫いするボランティアの新聞記事を読み、その活動に共感。その後、得意の裁縫を生かして産着を作った。「必要とする人みんなに届けたい」と取り組みを本格化させ、工場を経由し、まずは150着を用意した。

価格は1万~1万8千円。産着のサイズは12㌢と20㌢の2種類で今後も増やす予定だ。「かけがえのない大切な存在」の意を持つ「ワンアンドオンリー」という屋号で、通販サイトのアマゾンで販売している。

橋本さんは「子どもを亡くした人は社会的に孤立しがちだが、身内であろうとなかろうと赤ちゃんに対して自然に湧き上がる感情が多くの人の中にある。直接伝える機会は少ないが、亡くなった赤ちゃんのことも大切に思っているという社会のメッセージを届けたい」と話す。

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