「人」藍綬褒章を受けた鎌ケ谷市在住の保護司 松丸加代子さん

犯罪や非行をした人の更生保護を30年間にわたって務めてきた。先月29日に藍綬褒章の受章が決まり、「とてもうれしく思っている。ひとえに皆さまのサポートあってこそ」と語る。

少年院や刑務所から出た人の保護観察を行い、生活への助言を通して社会復帰をサポートする。法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員だが、給与はなく、事実上のボランティアだ。 未成年者の相手には「私はあなたの味方だよ」と伝える。「ささいなことでも褒めていくと、目つきが悪かった子も目に見えて変わってくる」。家族の協力が得られないケースも少なくないが、本人との触れ合いの中で信頼関係を築くことを大事にしてきた。

東京・足立区生まれ。22歳で結婚し、1976年に鎌ケ谷にやってきた。長男の小学校でPTA役員になり、ほどなく補導員に。91年に保護司となった。担当した人数は「100人は超えていると思う」。暴走族のけんかのケースは少なくなったが、特殊詐欺の「受け子」が増えるなど、時代の流れも感じている。

「おばさんに会えてよかった」―。保護観察の終了時、携帯電話の番号を本人の前で消去し、「街で会っても声を掛けないよ」と伝えるが、結婚式への招待や出産報告など、その後も慕ってくれる人は多い。

保護司の定年まであと4年。「命があれば定年まで続けて、それまでに後継者を育てたい」