「異彩探訪」工場のチーズ端材を販売 トフコ

野菜の直売所が立ち並ぶ鎌ケ谷市軽井沢に「ちーず直売 ここ入る」と書かれた案内がある。

そこは、乳製品や輸入チーズの加工などを行う「トフコ」の事務所だ。工場での作業の際にでるチーズ端材を販売している。売り場があるわけではない。事務所の従業員に「チーズください」と声を掛けると、15種類ほど入った箱を出してくれる。

画像=武山社長㊧と、「受付に席が近い」という理由で販売係を担うスタッフ

一番人気はデンマーク産の濃厚なクリームチーズ(400㌘540円)。ミックスシュレッド(500㌘594円)、カットチーズ(40㌘270円)など、安価に購入できる。不定期で入荷する100㌘千円以上の「ビンテージチェダー」といった希少品も好評という。

1987年に設立、チーズ事業は06年から。飲食店や食品販売店に代わり、熟達したスタッフがピアノ線や包丁でカットしている。ベルトコンベヤーもない小さな工場だが、スタッフは「目」と「手」で大きさと衛生面を管理し、端材も商品同様に扱っている。

「たくさん端材が出るわけではないが、私たちだけじゃ食べ切れなかった」と武山万里社長(61)。フードロスを減らしたいと思っていたときに出店販売の催しに誘われ、端材を売ってみたところ好評だった。

現在では日に数組が事務所を訪れる。「ささやかな需要でも喜んでくれる人がいるなら。お客さんから新たな食べ方を教わることもあるんですよ」と武山社長は話している。

9時~17時。土日祝定休。鎌ケ谷市軽井沢1995‐1。駐車場あり。℡(444)3198