ライスボウル シーガルズ7年ぶり日本一

習志野市を本拠地とする社会人アメリカンフットボールクラブ「オービックシーガルズ」が7年ぶりに日本一を奪還した。東京ドームで3日に行われた日本選手権「ライスボウル」に社会人王者として出場し、35―18で学生王者の関西学院大学ファイターズを破り、史上最多となる通算8度目の栄冠に輝いた。

立ち上がりに関学大の先制を許したシーガルズだったが、望月のタッチダウン(TD)と山﨑のキックで逆転し、ホールデンもTDを決める。2Qは攻めきれず、逆に2点差に詰め寄られた。

「自分たちは何をしにここに来たのか」。ハーフタイムで攻撃の再構築を意識付けし、3Qにはロックレイからの53ヤードTDパスを野崎がキャッチ。続いて西村がTDランを繰り出し、勝負を決めた。

大橋誠ヘッドコーチ(HC)は「後半は爆発力のあるプレーが見られたが、もっとできたと思う。精度の面ではまだまだ」。近年、社会人と学生の力量差が顕著になっていることを念頭に「心底、ほっとしている。社会人王者として勝つ使命があるので」と安堵する様子も見せた。地村知樹主将は「関学さんが最後まで泥臭くプレーをして、僕たちも苦しめられた」と学生をたたえた。

シーガルズは11年からライスボウル4連覇を達成し、常勝軍団として全国に知られた。しかし、富士通などの実業団チームが外国人選手の獲得や新人の勧誘で補強を図り、リーグ全体のレベルが向上。一方のシーガルズはクラブチームで、選手らは多種多様な本業の傍ら、練習は週末に限られる。実業団に徐々に押され、14年シーズン以降はライスボウルから遠ざかった。

16年から元主将の古庄直樹氏をHCとする体制に移行。選手の世代交代も進み、新生シーガルズの構築を目指したが、社会人の年間王者には届かなかった。20年シーズンを迎えるにあたり、古庄氏は自ら新体制への移行を提案。大橋氏が5年ぶりにHCに復帰したことがカンフル剤となり、模索していた新たな形の最後のピースがはまった。

古庄氏は今期、アシスタントHC兼ディフェンスコーディネーターとしてチームの土台を支えた。試合後、「7年間、今年こそはと言ってきた。ようやく習志野に日本一を持ち帰ることができた」と穏やかな表情で話した。

「強いシーガルズ」の復活を待ち望んでいた地元ファンは多い。感染症対策のため、声や笛の代わりにクラッパーを鳴らし、選手にエールを送った。

チーム公認の私設応援団長、織戸克久さん(51)は「選手もコーチも一丸となった『家族』で一つのゴールに辿り着くことができた。コロナ禍でずっとひやひやしてきたので、無事に試合が完結して安心した。みんなで戦ったドームだった」と話した。