ナシ味自慢コンテスト 石原さんに大臣賞

ナシの出来栄えを競う「千葉なし味自慢コンテスト」が先月末に行われ、鎌ケ谷市粟野の石原和弘さん(=写真・56)が生産したブランドナシ「豊水」が最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。

石原さんは「年を取って体が動かなくなってきたけど、希望が生まれ、パワーが湧いた」と受賞を喜んでいる。

同地で十数代続く家系で、ナシ農家としては「5代目」という。20歳で父・誠一さん(85)から梨園の経営を引き継いだ。先代が開発した自家製の堆肥を使ってきたが、11年の東日本大震災で原料が入手できなくなった。新たな堆肥を工夫し、4年前からは白井市のJRA競馬学校の馬糞をもらい、活用しているという。

春の受粉作業にもこだわりがあり、「実の形を良くするために、受粉を濃くしている」。今年は梅雨が長引いた影響でナシの仕上げに苦心し、コロナ禍への対応も迫られたが、一つ一つの積み重ねが受賞につながった。今年の販売受け付けは終了している。

同コンテストは生産者や県が主催する恒例行事。今年は感染症対策のため一般消費者の食味審査は省略されたが、109点が出品され、専門家が審査した。2位にあたる県知事賞には同じく鎌ケ谷市の松本康子さんのナシが選ばれた。