子どもの思い出を 保護者ら市に意見書

新型コロナウイルスの影響で学校行事が中止となる中、それを受けての子どもの家庭での様子や、行事の代替案などをまとめた意見書を5日、保護者らが船橋市の松戸徹市長に提出した。

画像=右から橋本さん、稲村さん、伊阿弥さおりさん

市役所を訪れた保護者代表の橋本知枝さん(38)は「子どもも保護者も強いショックを受けている。皆さんの心の声を届けたい」と市長に手渡した。

修学旅行や運動会といった行事が次々と中止となり、高根台中などでPTA役員を長年務めた稲村祥江さん(48)のもとには、子どもが「がっかりして泣いていた」などという保護者からの声が寄せられた。

相次ぐ学校行事の中止「思い出作る機会必要」
「このままでは子どもたちの思い出作りの機会が失われる」と、稲村さんが中心となり子どもの思い出プロジェクトを発足。子どものいる家庭を対象にアンケートを行い、保護者らから約350件の回答を得た。

多くの保護者が希望したのが、行事の代替開催だ。すでに運動会の代わりとして小規模の体育行事を開催する学校もあるが、修学旅行など代替が難しいものもある。アンケートでは旅行は無理でも「学校に宿泊する行事」なら可能ではないか、といった意見もあった。

「代替案は各学校と連携して検討中」とする市教委に対し、稲村さんは実際に計画を模索していることを、「子どもたちの目や耳に伝えてほしい。それが希望につながる」と、広報や動画メッセージの発信を要望した。

稲村さんは「コロナに希望をつぶされてしまうのではなく、みんなで知恵を絞り合っていきたい」とさらなる意欲を燃やしている。