中3の夏、代替大会で熱戦

例年この時期に、本紙では中学校総合体育大会でのエリア内選手らの奮闘ぶりを伝えているが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で大会が中止となった。そんな中、活躍の舞台を失った生徒の励みになればと、各競技専門部や校長会などが音頭を取り、感染防止対策を講じながら、代替試合などを開催している。

鎌ケ谷市では先月下旬から全5校が参加する合同練習試合が行われている。先月24日に鎌二中で行われた女子ソフトテニスの試合には3年生58人が参加。例年と異なり県大会などにはつながらないが、集大成となる「最後の夏」に、選手らは熱戦を繰り広げた。

鎌ケ谷中の笹原凜乃主将(3年)は「休校でテニスをする時間が少なくなってしまったが、部活が再開してからは精一杯、楽しんで練習してきた。ペアで信じ合い、最後までプレーできて良かった」と充実した表情を見せた。

同日に鎌五中で行われた男子サッカーは、円陣やハイタッチはせず、保護者の観戦も制限した。大会の中止で落胆した生徒が多かったが、代替試合を目標とすることで部活に活気が戻ったという。サッカー専門部長の駒﨑達也教諭(25)は「最後の締めを設定することで練習も締まった。きょうは生き生きとした顔をしている」と、グラウンドを駆け巡る選手らを見つめていた。

先生も一緒に 笑顔の舞台
船橋市では校内で紅白戦を行うなど、各校が工夫して舞台を作った。船橋中では、約300人の3年生が参加。人員が足りない競技には教諭らが「選手」として加わった。26日に行われたソフトボールは、生徒チームと教員チームが対戦。教え子と供に汗を流した藤川紀子教諭(33)は同点の3点本塁打を放つなど奮闘し、顧問としての面目を施した。

画像=船橋中女子ソフトボール部は教員と対戦。教え子に三振を喫した教諭は思わず笑顔に

最後は4―3で生徒チームが勝利。涙を流す選手もいた。佐藤麗亜主将(3年)は「試合は2月以来。プレーできるのは当たり前ではないと知り、毎日を大切にしている。きょうの試合は楽しかった」と感謝した。藤川教諭は「みんな初心者から始めたのに、成長した姿が見られてよかった」と目を細めた。

習志野市では、徒歩圏の学校同士で対戦する練習試合などを、あす2日まで実施する。