LINE相談急増 家庭で悩む子どもを支援「ウィーズ」

休校が長期化するなか、親の不仲などで自宅で安心して過ごせない子どもたちが声を上げている。

(写真)パソコンで子どもからの相談に応じる光本理事長。ほか公認心理士や教員らがチームで対応(=同NPO提供)

 

休校で逃げ場なく
NPO法人ウィー ズ(習志野台4・光本歩理事長)は、家庭環境に悩む子どもなどを対象に通信アプリ「LINE」を通じた悩み相談を行っているが、この相談件数が急増している。これまで月に50件ほどだった相談が休校後の3月は131件に増えた。1件あたりの相談者とスタッフのやりとりの回数も増えており、従来の10倍以上になっている。10代が対象のライン相談だが、小学低学年からの連絡もあった。

面前DV、いじめ、偏見…
「これまでは悩んでいても、学校で同級生に話をしたり大勢で騒いだりすることで乗り越えてきた子も多いのでは」と光本理事長。中国にルーツを持つ児童に対するいじめや偏見も一部で起きているが、休校の中、そうした子どもの心理的ケアも、ままならない状況だ。
普段は外で働いている親が自宅にいることで、家庭内のバランスが崩れていることも考えられる。「海外に単身赴任していた父親が新型コロナウイルスの影響で帰国し、母親とのケンカが絶えない」「家で親が暴れていてうっとうしい」といった面前DVや虐待の相談が寄せられる。だが、そうした状況下にあっても、「親を全否定できず自分が我慢すればいいと考える」子どもが多数で、その狭間での苦しみが「死にたい」「消えたい」といった書き込みにつながっていると見られる。

同NPОでは、相談してきた子どもたちに自宅の郵便番号を聞いている。近隣のこども食堂や児童相談所、警察などの情報を伝えるほか、場合によっては各機関と連携する。「大人にとっても初めての出来事で、子どもの話を聞ける状況ではないかもしれないが、大人が家庭を閉じて精神的につぶれないよう、少しでも外部の人と話す機会を作ってほしい」