金杉台中 23年に閉校 全校生徒58人 増加の見込みなく

船橋市教委は、生徒の減少が続く金杉台中(金杉台1)を23年に閉校し、隣接する御滝中と統合する方針を決定した。
金杉台中は各学年1学級、全校生徒数58人(19年5月現在)。文部科学省の指針では、学級間の切磋琢磨やクラス替えなどの観点を含め、中学校は少なくとも1学年2学級以上が望ましいとしている。学校の小規模化により、生徒の人間関係が固定化されやすい点や、学習指導や学校運営で教員の負担が大きくなるのが課題とされる。
金杉台中は団地の造成に伴い、1971年に開校。87年には全校生徒数528人、13学級の規模となったが、少子化に伴って減少。現状では増加に転じる見込みはない。

(写真)閉校が決まった金杉台中の校舎

地域衰退を懸念する声も
教委は、2017年から金杉台中の「今後のあり方」について検討を始め、保護者や地元住民を対象とした説明会を複数回開催した。
参加者からは閉校による地域の衰退を懸念する声や、「少人数制の良さがある」「統合によって教員の目が届かなくなる」といった反対意見も多かった。一方、同中学へ進学する可能性のある小学生の保護者を対象としたアンケートでは、68%が「統合した方が良い」と回答。学区の見直しを行った場合も生徒の増加にはつながらないことがわかった。検討の結果、3月5日の教委会議臨時会で閉校を決定した。
教委は今後、生徒が抱く不安の解消や、御滝中以外への転校の相談に応じるなど、「生徒一人一人へのきめ細かな対応に努める」としている。今月末に予定していた住民説明会は新型コロナウイルスの影響で延期となったが、事態が落ち着き次第、すみやかに開催する方針だ。