「子どもだけ留守番」地域で食をサポート  子ども食堂ネットワーク

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学校の臨時休業に伴い、給食がなくなった子どもたちの「食」をサポートしようと、「ふなばし子ども食堂ネットワーク」がいち早く動いた。地域住民と協力し、子どもに食事と居場所を提供している。
共働きやひとり親世帯などで、日中に子どもだけが自宅に居るケースもある。中には、家庭の事情で給食が唯一のまともな食事という児童生徒もいる。
習志野台5の飲食店「カフェウフ。」では、平日の11~15時に軽食を提供する「おにぎりカフェ」を10日から開始した。食材は同ネットワークや近隣住民らから寄付されたものを活用する。サバを具にしたり、薄焼き卵をつけるなどして栄養たっぷりだ。
おにぎりは訪れた子ども自身がラップを使って包む仕組みとし、持ち帰って食べてもいい。店主の伊藤由佳さん(54)は「給食が生命線だった子どもに限らず、そうではない家庭でも『きょうは自分でおにぎりを作って食べるから』と言われたら親もほっとするでしょ」。
初日に5歳の弟を連れてやってきた女子中学生(14)は「オムライスをノリで巻いても意外とおいしかった。お昼ごはんを作ったら洗い物が大変なので、助かる」と話した。
同店では毎月1回、夕食時に「キタナラ子ども食堂」を開催してきた。一斉休校を受け、伊藤さんは「お昼ごはんにありつけない子もいるのでは」と考え、昼食時にも食堂を開いたところ10人ほどの子どもがやってきたという。
他方、感染拡大防止の観点から人が集まる子ども食堂をやむなく休止する団体もあり、船橋では9団体のうち6団体が中止した。関係者は頭を悩ませているが、同ネットワーク事務局長の牛垣雅志さん(54)は「子ども食堂は地域のコミュニティーとして子育て家庭を支援するもの。こんな時こそ」と踏ん張るつもりだ。
同食堂では訪れた人に手洗いを促すなど、可能な限りの注意を払っている。