児童85人 伝統のノリすき体験

船橋漁港で4日、海神南小の児童85人が昔ながらの手すきの技法によるノリすきを体験した(=写真)。
地元の特産品であるノリに関心を持ってもらおうと、13年度から船橋市漁業組合が開いているもの。児童たちは三番瀬でとれた生ノリを木の箱ですくい上げ、専用の「簀」に流し込む。「一気に流し込むのがコツ」などと漁協関係者からアドバイスを受け、四苦八苦しながらも形を整え、「おおっ、ノリになった」と大喜びしていた。
二俣凜さん(3年)は「きれいな形にするのが難しかった」。室住悠真くん(同)は「このノリでご飯を食べたい。魚やノリを残さないようにしたい」と話した。
講師を務めた元ノリ漁師の高村昭一さん(83)によると、昭和40年代前半までは手すきで行っており、夜が明ける前から作業していたという。児童らには「磯の香りで料理を味わってもらえれば」とほほ笑んだ。
ノリ漁師は最盛期に千軒ほどいたが、湾岸の整備が進み、現在は4軒のみが粘り強く船橋の味を守っている。ノリすき体験は例年、十数校の児童が参加し、大人向けの体験会も盛況という。