調べる学習コンクール 「大人の部」 中野木の福岡さん 文科大臣賞 「自分のルーツ知りたい」と探究

「図書館を使った調べる学習コンクール」で、全国から寄せられた11万6554作品の中から、中野木在住の福岡泰さん(=写真・58)が最高位の文部科学大臣賞に輝いた。
「調べる学習」は、本などを活用して身近な疑問を独自に検証、わかりやすくまとめて作品にするもの。図書館振興財団の主催で、今回で第23回を数える。
福岡さんは自分の先祖について調べた。戸籍で江戸時代末期までの家系図を作成。「先祖は武士か農民か。当時の暮らしぶりを知りたい」と図書館の地方史や郷土史を当たった。「全国の図書館にお世話になったので良い報告ができる」と喜ぶ。
きっかけは、数年前に両親を亡くし手続きのために戸籍を取り寄せたこと。「自分のルーツを知りたい」と調査を始めた。
最初に取り組んだ父方祖父系列の調査で、幸運にも郷土史家と出会い、江戸時代前期まで先祖をさかのぼることに成功。これで勢いづき、父方祖母系、母方祖父系、母方祖母系と進めると、「商売もやっていた」「あの有名人と親戚だった」といった発見があった。ただ、「両親とも共有したかった」と少し悔やんでいる。
調査のため、電話帳で遠い親戚を見つけて連絡を取るなど、親戚付き合いが活発化した。親の代を最後に疎遠だった近しい親戚とも、家系図を囲んで会う機会が増えたという。
次は「江戸時代のかな混じりのくずし字を読めるようになりたい」と、最近は古文書の勉強会に参加し学びは終わらない。
セカンドキャリアとして行政書士事務所を週末開業中。探究の経験を生かし、これからは家系図作りの仕事も請け負うつもりだ。