「調べる学習」コンクール 大賞は習志野台の伊橋さん 「永久堡塁」を探究

船橋市図書館が行った「第1回 船橋市図書館を使った調べる学習コンクール」の最優秀賞に習志野台在住の伊橋和男さん(=写真・74)が輝いた。
「調べる学習」は本などを活用し、身近な疑問を独自に検証、わかりやすくまとめて作品にするもので、コンクールには13人の応募があった。
伊橋さんは「習志野原の永久堡塁」について探究した。日露戦争の激戦地、旅順要塞を模して作られた堡塁で、昭和40年代の習志野台団地造成に伴い地下に埋められた。
もともと歴史に関心はなかったという伊橋さん。7年ほど前に参加した公民館講座で「自宅近くにこんなところがあったのか」と興味を持った。永久堡塁についての資料は少なく、コツコツと、埋設位置や築造の時期や目的などを調べた。
「実際に何度か演習が行われたとの証言がある」とウェブ上に書かれているが、「それなら壊されてなきゃならない」。団地造成まで「子供達の格好の遊び場であり、恋人たちの逢瀬の場所でもあった」(『砂塵を越えて』北習志野開拓五十周年記念誌)との記述があるのはなぜなのか。また、これまで永久堡塁として伝えられてきたものは、全体の一部に過ぎないのではないか…。伊橋さんは「当たり前とされていることを調べてみる。考えてみる。一つひとつを積み重ねていくと、関連性が見えてくる」と探求の魅力を語る。
伊橋さんを含む上位者2人は、図書館振興財団が主催する全国コンクールに進出する。