高齢ドライバーの事故減を 自動車メーカーが安全運転講座

 65歳以上の高齢者を対象にした安全運転講座が先月24日、習志野4にあるダイハツ工業の販売店であった。
高齢者ドライバーの事故低減に向け、同社と船橋市などが協力し、県内では初めて開いたもので、「運動能力の強化や事故回避のための気づき」を得てもらおうという。
船橋市の交通事故件数は減少傾向にあるが、高齢ドライバーによる交通事故件数は微増。高齢者の運転によるリスクが指摘される中、免許返納率は年々上昇している。一方で、生活する上で免許を手放せない場合もあり、「返納は強制できるものではない」と同社担当者は話す。
講座には市内の高齢者9人が参加した。正しい運転姿勢や車の死角などについて再確認し、運転するために必要な筋力や判断力などの測定や能力向上のための指導を受けた。
判断力の測定では参加者のほぼ全員が基準値をクリアできなかった。県理学療法士会の担当者によると、厳しめのテストで「加齢の問題だけではないが、判断力・身体機能が十分ではない可能性がある」。自宅で行える運転類似動作や運転前のストレッチなどを実践してほしい、と呼びかけた。
講座に参加した75歳の女性は、目が不自由な夫を病院に送迎するために車を使っている。「船橋はどうしても車がないと暮らせない街ではないが、次の車検までは乗りたい」と話す。72歳の男性は「運転は楽しみだが、息子にそろそろ返したらと言われている。講座に参加して周りを見る目が鈍くなっていることに気がついた」と話した。