主婦経験もキャリア 家事代行で働く女性増

洗濯や風呂の掃除、夕食作りなどをしてもらえる「家事代行サービス」。共働き世帯の増加などを背景に需要が高まっている。ここ10年ほどでサービス事業者も急増しており、企業から利用者に派遣される形態だけでなく、ウェブ上で利用者とサービスを提供する個人が直接契約を結ぶものも増えている。
小室在住の照井奈緒子さん(38)は二児の母。ある集まりで「まるで息をするように家事をするね」と知人から勧められ、昨年、家事代行マッチングサイト「タスカジ」を通じて、仕事を始めた。
取材で同行した今月初旬、照井さんは近隣市に住む杉田奈津香さん(32)宅を訪れた。現在育休中の杉田さん。数年前に実母を亡くし、産後の育児に不安を抱えていたところ同サイトで産後ケアの経験がある照井さんを知り、月2回家事代行を依頼しているという。
照井さんは3時間で掃除や洗濯のほか、作り置きできる料理を10品ほど完成させた。
杉田さんは家事代行サービスについて「育児の相談もできるし、効率のいい家事も学べていると思う」と別の利点を話す。
最初は「主婦力を仕事にできるなんて、そんな仕事があるのかと思った」と照井さん。家事が得意という自覚はなかったが、「それまで当たり前過ぎて誰にも感謝されなかったけど、仕事にしたことで感謝されるようになった」とやりがいを感じている。
同サイトを運営する㈱タスカジの和田幸子社長(42)は「家事は単純作業ではなく、ノウハウがないとできない。主婦業はキャリアになる。照井さんのように得意ジャンルがあるとニーズが増す」と話す。