ベトナムから届いた卒業写真

18年前の西海神小 写した16枚

「持ち主を探してください」—。6月、船橋市の市民の声を聞く課のフェイスブックに16枚の写真が寄せられた。写真は18年前の西海神小の卒業式で撮影されたと思われるもので、当時の児童らが写っていた。
同課によると送り主はベトナム在住の男性、トフーンさん。現地で中古カメラを購入したところ、中にフィルムが残されていた。現像すると、門出を迎えた異国の子どもたちの姿が浮かび上がった。
なんとか持ち主に届けたいと思ったトフーンさんが「船橋市立」というキーワードを頼りに探し、翻訳ツールを使って、同課にメッセージを送ってきたという。
同課が寄せられた写真の1枚をウェブで公開したところ、「真ん中、俺や」と都内在住の調理師、菊池聡さん(30)が名乗り出た。学校の門の前に立つ6人の児童を収めた写真の前列中央で、卒業証書用の丸筒を手にポーズを取っている。当時、少年野球チームに所属しており、「監督から習ったバントでもやってたのかな」という。
また後列中央に写っているのは市職員の内山和彦さん(同)と判明。「遠い異国の地で自分の思い出が見つかり驚いた」と話している。
撮影者やベトナムにカメラが渡った経緯は不明だが、「みんな元気かな。現代版のタイムカプセルのよう」と菊池さんは懐かしむ。「ベトナムの方をはじめ、本人たちの元に宝物を返してあげようとする方々の心意気」に感謝している。
今回の相談内容は「課の仕事ではないかとも思ったが、広めることに価値があると思った」と同課担当者。「トフーンさんも写真に写っている人物が見つかり、喜んでいる」という。