県内の作家による アート・クラフト市「にわのわ」来月2、3日に開催

習志野の河合さんら発案 集客5倍増の人気イベントに

千葉ゆかりの作家が手がけたクラフト作品や県産食材にこだわった飲食店などが出展する屋外イベント「にわのわ」が来月2、3日に佐倉城址公園で開かれる。
今年で7回目を数える県内屈指の人気イベントで、発起人は習志野市大久保3でギャラリーを営む河合美穂さんらだ。DIC川村記念美術館から「庭園でなにかイベントを」と依頼を受け、「つくり手とつかい手がつながる場を設けたい」と12年に同館で初開催したのが始まり。アート・クラフトフェアとしては異例の入場料(300円)を取る仕組みにも関わらず、昨年の来場者数は約2万1千人と、初開催から5倍以上に伸びている。河合さんは盛況の手ごたえを「実行委員やボランティアと気持ちが合い、また、世の中の動きとも合った結果」だと話す。
 イベント広報の宇藤彩乃さんによると、「来場者は子連れからシニアまで幅広い」。3世代で訪れ、孫の手を引きながら「贈答用の品を探すシニアの姿もある」。
インターネット上のデータ分析によると、特に支持が厚いのが「モノに対する審美眼を兼ね備えた」35歳~45歳の女性層だ。「情報を得て、質を判断できる時代。ていねいに作ったものを支持する人が増えた」
開催は毎年この時期。新緑に囲まれた会場で知人や家族と「お気に入りの品」との出合いを求めて歩くのは心地よい。
イベントホームページも充実。作家の人柄や作風をインタビュー形式で紹介している。閲覧者の6割が「ホームページのリピーター」で、ネット上で作家のファンが定着し「作品を実際に見たいという心理」が集客につながっている。
イベントはつくり手からも好評だ。出展者を選考する委員は毎年入れ替わるため、選ばれる作家も偏らず「風通しの良いクラフトフェア」と評する人も。また千葉には伝統的な手仕事が少ないからか「作家間のしがらみがあまりなく、新規参入者が遠慮をせずにものを作れる環境が整っている」。
また、一般に作家に一任される搬入出やブース作りの作業をボランティアが手伝っている。
そういった評判が広がり、さまざまなジャンルの作家が集まってくる。結果、つかい手にとっても魅力が増す好循環が生まれた。
今回は陶磁器やガラスの作家など約120組が出展予定。10時~16時。雨天決行・荒天中止。京成佐倉駅から徒歩20分。専用駐車場なし。