中高生チーム「サクラ・テンペスタ」 ロボット世界大会へ   

チーム作り、資金集め、製作過程まで評価

 

県内の中高生によるロボット競技チーム「サクラ・テンペスタ」が、今月25日から米デトロイトで開催される「ファースト・ロボティクス・コンペティション」(FRC)に、日本から初めて出場する。

FRCは中高生を対象とした大会で、資金集めからロボット製作まで、生徒だけで行うのが特徴。今回の競技は箱を挟んで持ち上げ、天びんにかけて得点を競うルールだ。3月にハワイで行われた地区大会に自作ロボット「さくらちゃん」で出場したサクラ・テンペスタは特別賞を獲得。世界大会への切符を手にした。
メンバーは東邦高の中嶋花音さん(17)を中心に県内から集まった15人。中嶋さんが米ミネアポリスの高校に留学中に、FRCの部活動に参加。帰国後、交流サイトなどで仲間を募った。
テンペスタとはイタリア語で「嵐」の意味。女性メンバーが多いこともあり、日本から桜吹雪を巻き起こすイメージを込めてチーム名にした。
メンバーで製作、運営、広報など役割を分担。大会への参加費だけでも数千ドルが必要となるため、企業とスポンサー交渉を行い、クラウドファンディングで資金を募った。中嶋さんは「ここまで来たこと自体が驚き。海外では言葉の壁もあるが、メンバー全員がベストを尽くせるようがんばりたい」と抱負を語る。メンバーの荻田倫那さん(17)は「日本ではロボットに触れる機会が少ない。このチームの存在を広めて、国内大会ができるようになれば」と話している。
チーム相談役を務める千葉工大未来ロボット技術研究センターの富山健さん(69)によると「FRCは日本のロボコンとはまったく異なり、作る過程やチーム作りなどプロジェクト全体が評価される」という。